ネットモラル教育について

インターネットは便利な反面、負の側面もあります。この急速な普及に学校教育・家庭教育が追いついていないのではと指摘されています。少し前に課題だった学校裏サイトなどはいまや影を潜め、LINEに代表されるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が主流となって、その対応が求められるようになっています。とくにスマートフォンなどの携帯端末の取り扱いには注意が必要です。自分の子どもに与えなくとも、友達のを借りたり、3DSなどのゲーム機でもインターネットに接続できる時代です。

これについても、保護者(法定代理人)が第一義的な責任をもっているようです。
平成20年に有害情報から子どもを守るフィルタリングをテーマにした法律が施行されています。
ここで、保護者の責務が規定されています。

青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律
(平成二十年六月十八日法律第七十九号)

(基本理念)
第三条  青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策は、青少年自らが、主体的に情報通信機器を使い、インターネットにおいて流通する情報を適切に取捨選択して利用するとともに、適切にインターネットによる情報発信を行う能力(以下「インターネットを適切に活用する能力」という。)を習得することを旨として行われなければならない。
2  青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備に関する施策の推進は、青少年有害情報フィルタリングソフトウェアの性能の向上及び利用の普及、青少年のインターネットの利用に関係する事業を行う者による青少年が青少年有害情報の閲覧をすることを防止するための措置等により、青少年がインターネットを利用して青少年有害情報の閲覧をする機会をできるだけ少なくすることを旨として行われなければならない。
3  青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備に関する施策の推進は、自由な表現活動の重要性及び多様な主体が世界に向け多様な表現活動を行うことができるインターネットの特性に配慮し、民間における自主的かつ主体的な取組が大きな役割を担い、国及び地方公共団体はこれを尊重することを旨として行われなければならない。
(保護者の責務)
第六条  保護者は、インターネットにおいて青少年有害情報が多く流通していることを認識し、自らの教育方針及び青少年の発達段階に応じ、その保護する青少年について、インターネットの利用の状況を適切に把握するとともに、青少年有害情報フィルタリングソフトウェアの利用その他の方法によりインターネットの利用を適切に管理し、及びその青少年のインターネットを適切に活用する能力の習得の促進に努めるものとする。
2  保護者は、携帯電話端末及びPHS端末からのインターネットの利用が不適切に行われた場合には、青少年の売春、犯罪の被害、いじめ等様々な問題が生じることに特に留意するものとする。出典:e-Govウェブサイト(http://www.e-gov.go.jp

要するに、民間における自主的かつ主体的な取組が必要で、行政はこれを尊重するってことです。保護者はインターネットの利用を制限・管理しつつ、将来的に子どもがインターネットを活用するにあたり、その能力促進に努める責務があるってことですね。

ほとんどの保護者としても分からないからネットに近づかないわけで、やめとけとまでしかいえないかもしれません。が、とくに未成年の場合は、保護者に監督責任があるので、知らない間に共同不法行為責任ってやつを被る可能性もありそうです。なにより、子どもがかわいそうですね。

文部科学省では、児童生徒の情報活用能力について、把握、分析するとともに,指導の改善,充実に資するため,小・中学生を対象にコンピュータを用いた情報活用能力調査を平成25年10月から平成26年1月にかけて実施しました。国公私立小学校第5学年児童(116校 3343人)及び中学校第2学年生徒(104校 3338人)の抽出調査。

ここで出た課題は
小学生について、整理された情報を読み取ることはできるが、複数のウェブページから目的に応じて、特定の情報を見つけ出し、関連付けることに課題がある。また、情報を整理し、解釈することや受け手の状況に応じて情報発信することに課題がある。」(同調査ページより)
具体的にいうと、小学生の場合、自分の写真をネットにあげる場合は個人情報などに注意を払う傾向があるが、無断掲載された他人の写真については41%しか問題にしなかったこと。中学生では、掲示板などでいわゆる「炎上」の原因になる書き込みを4割の生徒が見抜けなかったこと。

これは、まずい(汗
この調査で、学校の先生にもアンケートをとっていて、多くの先生が危機感を感じておられます。連携して、家庭での教え方を含めて保護者も勉強したいところ。

これに対応して、新しい学習指導要領にも盛り込まれています。
また、文部科学省では様々な対策マニュアルをつくっています。
スマホ・携帯はこちらhttp://www.mext.go.jp/a_menu/sports/ikusei/taisaku/taisakumd/1356354.htm
つづく…

文部科学省ホームページよりリンク