災害と感染症

Pocket

国立感染症研究所災害と感染症ポータルというサイトがあります。

先般の北関東豪雨被害によせて、感染症の注意喚起がでています。

 

リスクアセスメントに基づく注意すべき感染症〔台風第18号による大雨等被害関連〕

 本アセスメントは、平成27(2015)年9月に愛知県に上陸した台風第18号の影響により関東地方と東北地方で記録的な大雨となり発生した土砂災害や避難に伴い起こり得る感染症について、そのリスク評価をまとめたものです。主に避難所や関係医療機関及び公衆衛生機関で医療・保健衛生に従事される担当者を対象にまとめています。地域や避難所での生活環境、衛生環境が大きく異なる場合には、避難所や地域ごとにリスク評価が行われることが望ましい場合があると考えられます。感染症の発生リスクに対するアセスメントの内容は、時期的にも変わっていくことが考えるため、状況によっては今後の更新を予定したいと考えています。

9月14日現在のアセスメントに基づく注意すべき感染症(ここでは高リスク3としたもの)は以下の通りです(計6症候群・疾患) 。

急性呼吸器感染症
急性胃腸炎/急性下痢
レジオネラ症
レプトスピラ症
破傷風
麻疹

この中で、国立感染症研究所は「被災地で最も注意すべき感染症」として、「レプトスピラ症」を挙げて警告しています。レプトスピラ菌は国内のいたる所に存在するため、この感染症が日本で蔓延する素地は充分にあると考えられるそうです。

http://htranfiji.blogspot.jp/2014/01/yay-monitors.html
画像は「Hannah in Fiji」より

ワイル病、秋疫(あきやみ)、用水病とも呼ばれる「レプトスピラ症」は、人獣共通の細菌感染症で、病原体はドブネズミなどの動物の尿中に存在し、汚水を介して傷口・経口感染すとのことる。潜伏期間は5~14日間。発症すると頭痛・高熱・結膜の充血など風邪に似た症状を示しますが、重症化すると肝臓や腎臓障害を伴い、エボラ出血熱レベルの全身出血を引き起こし、死に至ることもあるとか。

万が一の災害の時、「いのち」の確保が最優先。そのとき、感染症についても注意が必要です。とくに、子どもたちは無防備に近いと思います。飲んでしまったときはもちろん、傷口からも感染の危険がありますので、そこらへんケアしてあげたいですね。