学校で9月に5年生に配布した「5年生だより」に大人気のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、LINE(ライン)についての注意喚起がありました。大切なことなので転載します。
スマートフォン(スマホ)の普及に伴い、小学生がスマホに触れる機会が急増しています。先日、「ラインするね」などという会話を耳にしました。友達と約束するとき、親のスマホを借りて、やり取りをしているのだそうです。
顔の様子が分からない状態で、文字だけによって会話すると、誤解を生じやすくなります。実際、5年生にも似たようなことがありました。また、スマホラインをやったことのある子どもたちから話を聞くと、「メールが届くと、無視したと思われるのがいやなので、すぐ返信するようにしている」「友達との会話が楽しく遅くまでラインをしていたら、うちの人に叱らられた」「友達とライン上でけんかみたいになったことがあった」と言っていました。また、既読機能によって友達関係が壊れてしまうケースもあるようです。ラインに振り回されたり、縛られたりしないために、ラインに頼らず、顔を見てコミュニケーションをとることを大切にさせていきたいと思います。
そこで、保護者の皆様にお願いです。子どもたちにスマホなどの通信機器を使わせる時は、約束事を決めていただきたいと思います。また、子どもたちがどのようなやり取りをしているのか、チェックしていただきたいと思います。子どもたちが、ラインの被害者、加害者にならないためにも、お願いします。(5年生だより平成27年9月29日)
平成27年6月にNHKおはよう日本で急増!小学生の“スマホトラブル”という特集がありました。
多くの小学生は、ネットの危険性に無防備。中高生のネットトラブルは知っていましたが、いまでは低年齢化に拍車がかかっているようです。
そのなかで、特に問題になっているのが無料で通話・メールができるLINE。ほかにも類似のサービスはありますが、だいたいコレ。あとは、課金制のオンラインゲーム系です。
ネットの普及はこの10年で飛躍的に広がりました。より便利に、簡単に利用できます。しかし、そのリテラシー(利用する能力)が大人でさえ追いついていない場合があります。むしろ、子どもたちの適応力は驚くほど高いですね。
スマホのルール どう教える?
神戸市では、市内すべての小学校に専門家を派遣して、子どもたちにスマホについての知識を学ばせることを決めました。兵庫県では、スマートフォンが日々進化する中、スマホの便利さとともに、その危険について身をもって体験してきた高校生が、中学校で出前授業するケースもあるそうです。
スマホに詳しい専門家は、各家庭で、スマホを買い与える前に子どもと話し合ってルールを作ることが大切だと強調しているそうです。
家庭でも、学校でも、私たち大人が、子どものスマホの世界で何が起きているのかに関心を持って、一緒に子どもたちと適切な使い方を考えていくことが求められています。
じゃあ、どんなルールを作ればいいのか…
ケースバイケースなので、あくまで例ですが…
長岡市小中学校PTA連合会(鷲尾達雄会長)が、児童・生徒のスマートフォンやゲーム機使用に関する市内共通ルールを策定し、普及に乗り出したというニュース
長岡市小中学校PTAが共通ルール策定 「各家庭で取り組んで」(毎日新聞)で、
小学校版のルールは、ゲーム機の使用を前提に、午後9時以降はさせない▽1日60分以内▽機械などの貸し借りはさせないの3カ条。中学校版はスマホ使用について、午後10時以降に(ラインなどの)SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)はさせない▽食事中は使用させない▽相手を傷つけない表現を指導の3カ条。
同連合会では、スマホやゲーム機の使用が、子どもたちの睡眠不足や学習意欲の低下を招き、いじめやトラブルにつながることもあるとの懸念から、5月から4回にわたって検討を重ねてきた。
今回策定したルールは、それぞれの家庭でのルール作りに生かしてもらおうと、大まかなガイドラインにとどめた。既に独自のルールを設けている学校もあるが、大半は個別指導にとどまっており、共通ルールを各校を通じて配布するなどして、各家庭での取り組みを促す。
としています。
ルール作りの例(Benesse教育情報サイト:我が家の携帯電話ルール作成例)
自分の電話番号やメールアドレスをむやみに教えない。
自分の電話番号やメールアドレスを教えたら相手は誰かを保護者に伝えること。
夜9時以降は携帯電話をさわらない。
勉強中、食事中は電話もメールもしない。
携帯電話の保管、充電場所は居間にする。
携帯電話は自分の部屋に持ち込まない。
携帯電話の賢い使い方は家族で教えあう。
家にいる時は、家の電話を利用する。
メールを送るのは1日3回までとする。越える場合は理由を保護者に伝える。
必要のないサイトにアクセスしない。
おかしなメール、知らない相手からのメールは必ず保護者に見せる。
有料サイトの利用は保護者に相談して許可をとる。
会員登録等の個人情報登録は、有料無料に関係なく、保護者に許可をとる。
人の悪口は絶対に書かない。
また、人が写っている画像や個人情報などをネットにあげてしまうと、不特定多数の目にさらされ、犯罪に巻き込まれたり、他人に不利益が生じたりする場合があることも話し合う必要があるでしょう。俗にいう炎上やいじめの温床にもなりかねません。古今東西老若男女、一緒ですね。
しかし、世界的なIT(インフォメーションテクノロジー)の普及は猛スピードで進んでいます。特にアジア地域では爆発的ですね。今後15年もすると手のひらにのるようなAIチップが人類の知能を超えてくる時代になるという予測(技術的特異点<Wikipedia>=シンギュラリティ<日経コンピュータ>)もあります。いまの小学生が働き盛りになっているあたりでしょうか。子どもたちを守りながら、なんとか対応していきたいものです。
総務省の調査によると、スマホを含めたネット利用について、保護者が教えるのが一番効果があるそうです。(Benesse教育情報サイト)
新潟県でもルール作りの議論が始まっているようです。
いろいろ情報を集めながら、私たちも勉強してガイドラインを作っていきたいですね。